『カップボードの設計2「木材のカットの図面作り」』

設計の仕方

前回、カップボードの本体の寸法を設計したので、今回は910㎜×1820㎜のパイン集成材をホームセンターでどうカットして貰うかを説明していきます。

※材料費を気にせずに作るのであれば、どうカットして貰うかを考える必要はないのですが、事前に考えておかないと高額になってしまう事があります。

無垢の材をカットする時に気を付ける事

木材の木目を意識する

カットする時に、気をつけなければいけない事は木目の方向です。見た目だけではなく強度に関わってくるので凄く大事になってきます。

        ↑天板です。木目の違いで強度が変わってきます。

↑矢印方向に力がかかるので、側板も木目方向で強度が変わってきます。

 

前回に設計した部位ごとの木材の寸法のまとめ

天板【410㎜×630㎜】  側板【388㎜×832㎜】2枚

天板の下の材【30㎜×564㎜】

底板と引き出し下の棚板【377㎜×564㎜】

棚板【357㎜×563㎜】2枚   扉【281㎜×601㎜】2枚

底板の下の正面の飾り板【70㎜×564㎜】

引き出しの前板【103㎜×562㎜】


それぞれの具材のカット計画 (パイン集成材)

910㎜×1820㎜のパイン集成材をホームセンターでカットしてもらいたいので事前にどうカットして貰うか決めておきます。

 

↑設計通りにカットしていくと、910㎜×1820㎜のパイン集成材が2枚必要になる事が分かります。

910㎜×1820㎜のパイン集成材は1枚約5000円なので2枚使うと木材だけで1万円超えてしまいます。。。😢 しかも、端材部分が多いので勿体ないです。(図の水色部分が端材です

このままではちょっとお高くなってしまうので、コストカットするために外側の見える所だけをパイン集成材使って、カップボードの中の木材合板を使うように設計し直します。

合板ってなに?

薄い板を接着剤で張り合わせて表面に木目を張り付けた板。反りる事がなく、強度もあって安価。

針葉樹合板(ラーチ合板)・・・北欧カラマツを原材料にしている。主に構造用資材(床、壁など)に使われている板。年輪が浮き出て木目柄がはっきりしている。強度があり安価。910㎜×1820㎜(厚さ12㎜)で1300円位です。


↑こちらは針葉樹合板を使って作りました。

ファルカタ合板・・・材質が柔らかく、軽いので加工しやすく、白色が特徴。材質は桐に似ている。柔らかいので凹みやすい。強度が低い。引き出しの中に使われる事が多い。今回のカップボードの引き出しに使用します。

他には、OSB合板(OSBボード)https://chiho-handmadelife.com/senmen-dai-shunodana/

シナ合板ラワン合板MDFなどがあります。


パイン集成材と針葉樹合板を使って設計し直す

カップボードの内側は強度のある針葉樹合板を使って設計し直します。

【底板】【引き出しの下の棚板】【棚板】を針葉樹合板にします。トリマーでパイン集成材を針葉樹合板の厚み分削って、針葉樹合板の断面を隠します。

 

水色紫色・・・天板は205㎜×630㎜を2枚を棒状に切ったパイン集成材(ピンク色)を使って繋ぎ、一枚の板を作ります。
※910㎜×1820㎜のパイン集成材1枚で具材を取りたかったからです。

緑色・・・30㎜幅のパイン集成材を15㎜幅で12㎜の深さで掘ってアングルの様な物を作ります。棚をビスで固定する時に、側板にビスが見えるのが嫌だったので、内側から緑の木材(アングル)を使って固定しました。長さが347㎜になっていますがビスで固定するのでギチギチはめ込む必要はないので2㎜短くします。なので寸法は30㎜×345㎜を2本カットしておきます。

 

3本の茶色・・・可動棚を固定する木材になります。図は327㎜の長さになっていますが、2㎜短くして棚板を可動しやすくします、なので針葉樹合板、15㎜×325㎜を6本カットします。

底板を支える茶色・・・可動棚を固定する木材と同じで側板に内側からビスで固定して底板の強度を高めます。組み立てるときに、底板と底板の下の飾り板と黄色の部分を固定してから茶色の固定する部分に乗せるようにします。茶色部分の長さをキッチリと作ってしまうと後からはめ込めなくなってしまうかもしれないので1㎜短くしておきます。なので針葉樹合板を15㎜×334㎜を2本カットします。

黄色・・・針葉樹合板76㎜×564㎜です。底板に重い物を収納できるように奥にも足の様な物を作り、強度を高めます。

それぞれの具材のカット計画 (パイン集成材と針葉樹合板)

910㎜×1820㎜のパイン集成材のカット

紫色部分は引き出しの下の棚板を下から留めるアングルの様な物を作る木材です。

赤丸は可動棚の棚板(針葉樹合板)の断面を隠す為の具材です。木目の方向が違ってきますが、断面を隠す為の具材で強度は関係ないので大丈夫です。
木目方向が違っても仕上がりはなかなかおしゃれでした。

水色部分は端材になります。パイン集成材だけで取った場合のカット図と比べると端材面積が少なくなりました。

ホームセンターでカットして貰う時に気を付ける事

パネルソーという機械を使ってカットして貰います。この機会は1㎜単位で正確にカットする事が出来ます。
※気を付けなければいけない事は底辺に対して直角で直線に切り落とす事しか出来ないので、ノコギリや丸ノコと違って途中まで切ることが出来ません。

オレンジの矢印カットして貰う順番になります。オレンジ矢印①を先にカットして貰わないと全部の具材をとることが出来ないので、ホームセンターの方にしっかりと伝える必要があります。口頭だけでは忘れてしまう場合があるのでカット図に記入しておくことをおすすめします。

ホームセンターでカットして貰う場合、刃の厚み分は3㎜程です。青丸で囲われた数字は刃の厚み分は考えていないので短くなります。
(側板の幅388㎜)+3㎜+(扉の幅281㎜)+3㎜+(天板の幅205㎜)+3㎜=883㎜になります。(パイン集成材の縦の長さ910㎜)-883㎜=27㎜しか残らない事になります。
青丸・・・本当は30㎜の幅で(天板の下の前の棒)と(天板の下の後ろの棒)と(棚板の合板断面隠し)の具材を取りたかったのですが27㎜にします。3㎜短くなっても構造上問題がないので大丈夫です。

青丸で囲われた数字、天板を繋げる為の木材の幅は48㎜になっていますが、(引き出しの前板)、(底板の下の前板の飾り板)、(底板の合板断面隠し)、(引き出しの棚板合板断面隠し)4カットしていくと3㎜×4カット=12㎜が刃の厚み分として考えなくてはいけないので、48㎜-12㎜=36㎜しか残らない事になります。
本当は天板を繋げる為の木材の幅は40㎜の設計でしたが4㎜短くなってしまっても構造上問題がないので幅36㎜にします。

910㎜×1820㎜の針葉樹合板のカット

オレンジ色部分は【底板の強度を補強する木材】15㎜×334㎜2本 【可動棚の棚を支える木材】15㎜×325㎜6本になります。

水色部分は端材になります。ちなみに10cmの隙間収納を作った時に左面積の端材を利用しました。https://chiho-handmadelife.com/10cmsenchi-habanotana/


 

次回は引き出しの設計の方法やビスで組んでいく順番など紹介していきたいと思っています。

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