車中泊用ベッドキッド&車内収納椅子作り「収納椅子の蓋作り」

加工方法

 

(1)蓋の構造と墨付け

蓋の奥行きの長さ368mm)は側板370mm)より2mm短くします。
2mm短くする理由は、丁番と蓋材の間は1mm隙間ができるのと、前板に中央天板をのせた状態で蓋を開けようと思うと1mm余裕があった方が良いからです。

丁番は蓋の端から40mmあけて取り付けます。丁番を取り付けた時に丁番用補強材と蓋の隙間をできるだけ無くしたいので、丁番の長さ64mm)と厚み分2mm)をトリマーで掘ります。
2mmで掘る理由は↓の『(2)蓋材の丁番用溝を掘る』で紹介しています。

↑こちらの丁番を取り付けました

(2)蓋材の丁番用溝を作る

丁番を取り付ける時、丁番の厚みを掘らないで取り付けると3㎜位の隙間(丁番にもよりますが)が出来てしまいます。丁番の厚み分溝を掘って入れ込む事で隙間を減らす事が出来ます。

丁番を掘る深さは丁番を平行にした時の厚み分の深さになります。写真の赤矢印の長さになります。平行にして計らないと赤矢印の長さが変わってきてしまうので注意して下さい。深く掘りすぎてしまうと、開かなかったり、締まらなくなっていまいます

↑丁番を平行にした時の赤矢印の長さ2.5mmでした。なので、2.5mmの深さで溝を掘りたい所ですが0.5mm間隔で掘るは大変なので2mmの溝を掘りました。

①丁番用の溝掘り「トリマーセッティング」

1工程目 4㎜のストレートビット入れる。プレートから4㎜出して固定、ストレートガイドから刃の直径分入れた長さを2㎜にする。

2工程目 4㎜のストレートビット入れる。プレートから8㎜出して固定、ストレートガイドから刃の直径分入れた長さを2㎜にする。

3工程目 4㎜のストレートビット入れる。プレートから12㎜出して固定、ストレートガイドから刃の直径分入れた長さを2㎜にする。

※ストレートガイドから刃の直径まではどの工程も2mmにして、ストレートビットの長さを変える。

②丁番用の溝掘り「トリマー加工手順」

1.トリマーのビットの長さ、ストレートガイドからの距離を1工程目セッティングに合わせて、蓋材8枚分を同じ用に掘ります。
↑深さ4㎜で掘ります
2. トリマービットの長さを2工程目セッティングにして、蓋8枚分を同じように掘ります。
↑深さ8㎜で掘る
3. トリマーのビットの長さを3工程目セッティングして、蓋8枚分を掘ります。
↑深さ12mmで掘る
4. 蓋材の裏面をトリマーを1工程目セッティングで蓋8枚分掘ります。↑裏返して掘って完成

こんな感じで作業を進めましたが、掘り終わってからもっと簡単な加工の方法があった事に気づ板ので紹介します。皆さんが作業する時は下の改良版のやり方で掘って下さい。下のやり方の方がトリマーをセッティングする回数が減るので楽です

③改良丁番用溝掘り「トリマーセッティング」

1工程目.4㎜トリマービットでプレートから4㎜出して、ストレートガイドから刃の端までの長さを2㎜にする

2工程目.4㎜のトリマービッド、プレートから9㎜出して、ストレートガイドから刃の端までの長さを2㎜にする

④改良丁番用の溝作り「トリマー加工方法」

1.トリマーのビットの高さや、ストレートガイドからの距離を上の1工程目セッティングに合わせ、蓋の裏面表面とも同じ深さで掘ります。蓋8枚分を同じように掘ります。

2.ストレートガイドからの距離は変えずに、トリマーを2工程目セッティングに合わせて、蓋の裏面表面とも同じ深さで掘ります

裏面と表面から掘るのでトリマーをセッティングする回数が減り作業が楽になります。

(2)丁番用溝の端をノコギリで加工調整

トリマーのビットの形状は丸いので端の部分はどうしても直角になりません。丁番の溝にぴったりと入れる為には、溝の縁をノコギリで加工していきます。

↑の写真のピンクのノコギリはアサリなしのノコギリです。アサリなしのノコギリは刃の形状が外を向いてないのでジグ(上の写真の木材)にピッタリと沿わせて切ると綺麗に加工できます。
※アサリなしのノコギリはダボ穴を埋める時のダボ木を切る時にも適したノコギリです。

加工する時は丁番をあてながらピッタリと収まるように調整しながらにして下さい。丁番が動かない位、綺麗に収まる溝の方が後からの取り付けが楽になります。ジグを使いながらアサリなしのノコギリを垂直や寝かして加工していきます。

(3)蓋を開ける手がかりを作る

①手がかりの墨付け

↑蓋の裏面から見た時に、『8mm✖️深さ15mm✖️長さ100mm』『4mm✖️深さ8mm✖️長さ100mm』の溝をトリマーで掘り手がかりを作ります。

②手がかりの溝掘り「トリマーセッティング」

1工程目 8㎜のストレートビット、プレートから4㎜出して、ストレートガイドから刃の直径までが12㎜になるようにセット(↑の図面の12mm🟰8mm4mm)する。

2工程目 8㎜のストレートビット、プレートから8㎜出して、ストレートガイドから刃の直径までが12㎜になるようにセットする。

3工程目 8㎜のトリマービット、プレートから4㎜出して、ストレートガイドから刃の直径までが8㎜に納まるようにセットする。

4工程目 8㎜のトリマービット、プレートから9㎜出して、ストレートガイドから刃の直径までが8㎜になるようにセットする。

③手がかりの溝掘り「トリマー加工手順」

1.4mm✖️8mm✖️100mm』の加工。蓋の裏側にトリマーを1工程目にセッティングして掘る。(×蓋材8枚)
2.4mm✖️8mm✖️100mmの加工。蓋の裏側にトリマーを2工程目セッティングにして掘る。 ※1.と同じところを8㎜の深さにします。(×蓋材8枚)
3.8mm✖️15mm✖️100mm』の加工。蓋の表裏側(両面)にトリマーを3工程目セッティングにして掘る。(×蓋材8枚)
4.8mm✖️15mm✖️100mmの加工。蓋の表裏側(両面)にトリマーを4工程目にセッティングして掘る。(×蓋材8枚)
↑トリマー掘り完成

④手がかりの縁をアサリなしのノコギリで加工

丁番の溝の端の加工と同じような要領で、アサリなしのノコギリジグで手がかりの形を整えます。

⑤手がかりを紙やすりで仕上げる

側板の取っ手部分と同じく、手が直接触れる所なので念入りにやすり掛けしておきます。
針葉樹合板は320番で削り、仕上げは600番を使いました。コンパネは320番でも綺麗に仕上がります。

(4)蓋材に角丁番を取り付ける

①角丁番取り付ける面と取り付ける時の基準

角丁番は左と右をよく見ると作りが違います扉側本体側(丁番用補強材)に取り付ける面が決まっています。

写真の赤線の直角になっている所は蓋の面赤線)に合わせて取り付けます。青線本体側の面に合せます。

②蓋側から丁番を取り付ける

丁番を木ビスで止める時に難しい事は、丁番の穴の真ん中に止める事です。丁度真ん中に入れる為には正確に下穴をあける事が大事になります。丁番を取り付けは少しのずれで蓋が曲がってしまったり、開けづらくなってしまったりしてしまうので、慎重に作業していきます。

丁番を取り付け為の専用のドリルになります。こちらを使うと丁番の穴の真ん中に下穴をあける事ができます。普通のドリルビットとの違いは丁番の穴(木ネジの径)にピッタリと合わせて、ドリルドライバーなどで力を加えるとドリルが出てくる仕組みになっています。(写真の赤矢印の方向に力を加えるとドリルビットが出てきます)※丁番を取り付ける木ネジの径で丁番用ドリル大きさが変わってくるので注意して下さい。

今回使用する丁番の穴は3か所ありますが、左右2か所だけ止めてから最後に真ん中を止めていきます。※失敗した時に加工し直す事ができるので真ん中は締めないで残しておきます。蓋側の丁番取付は溝を掘っているので比較的やり易いかと思います。丁番用下穴ドリルであけてから木ネジを締めます。丁番を取り付ける時はドリルドライバーを使って手で締めて下さい。電動ドライバーやインパクトは細かい調整がしにくい為です。丁番の取付作業は少しズレるだけで大きく変わってきてしまうので慎重に行います


↑蓋側に丁番を取り付けた写真

③本体側(丁番用補強材)に丁番を取り付ける

.丁番を取り付ける前に収納椅子の後板に蓋を取り付けるビス穴下穴を開けておきます。
.丁番用補強材には丁番用の溝を掘っていないので、取り付ける前に蓋の横幅と合うようにして、丁番の端穴の中心に墨を入れて記しておきます。
.蓋に取り付けた丁番の穴に合わせて下穴を開けたいのですが、丁番用補強材が15㎜の細い材なので下穴を開ける為の安定した状態を作る事が難しかったです。取り付けていない丁番の穴を利用して丁番下穴ドリルで穴を開けておきます。
.片側の丁番だけドリルドライバーで取り付けます。
.もう片側の丁番の下穴を丁番下穴ドリルであけてドリルドライバーで締めます。

※丁番の穴3か所の内、左右の2か所を締めてから最後に8枚分の蓋側、本体側の丁番の真ん中を締めていきます。真ん中はそれほど慎重に加工する必要がないので8枚分を一気に加工していきます。

④丁番に入っている木ネジについて

今回丁番を購入した時に付属で入っている木ネジは使いませんでした。理由は木ビスの頭が潰れやすく、ネジが締めにくかったからと、付属でついている木ネジは長さが16㎜でしたので丁番用補強材は幅が15㎜なのでネジが少しでてしまいます。

蓋側に丁番を取り付ける木ネジはブロンズの木ネジの径2.7㎜長さ20㎜を使用しました。せっかく購入するので少し長い木ネジを選びました。付属でついている木ネジとは比べ物にならないぐらい締めやすい木ネジでした。

丁番用補強材に取り付ける木ネジは木ネジの径2.7㎜長さ13㎜を使用しました。蓋側と色を合わせたかったのですが、13㎜の長さは↓こちらしか売っていませんでした。ブロンズの木ネジの方が締めやすかったですが、こちらも付属品よりは全然締めやすいです。

(5)収納椅子に蓋を取り付ける

蓋を本体に取り付けは組み立ての一番最後の作業になります。収納椅子8個、車内壁側部材8個、中心天板を組み立て並べ、全体のバランスを見て丁番を取り付けた蓋をのせていきます。前後左右の隙間のバランスを見て合わせていきます。(中央天板と前板を締めた状態で蓋が開け閉め出来るのか、蓋を取り付けた時の収納椅子同士の隙間の間隔などを見ていきます)

問題なければ丁番用補強材の左右をビス組して取り付けていきます。8個分の収納椅子の蓋の左右をビス組出来たら蓋を開けてみて確認します。問題がなければ残りのダボ穴にビスを打っていきます。

↑蓋を収納椅子に取り付けている時の加工の様子

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