(1)どういう家具を作りたいのかイメージしてみる
(2)大まかな構造を考える
↑こんな感じでざっくりとしたイメージで考えます。
(3)ホームセンターへ木材の下見に行く
ある程度構造のイメージが出来たら実際に使う木材を見に行きます。
パイン集成材、杉材、焼桐材、SPF、普通合板、針葉樹合板、ファルカタ合板、OSB合板、など色々な材がありますが、それぞれ厚みや木材の強度や、風合いが違うので用途に合わせて選ばなければいけません。
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材の強度だけで選ぶとパイン集成材、杉材、SPF、普通合板、針葉樹合板、OSB合板は利用出来そうだとおもいました。
杉材は20㎜、24㎜の厚みがある物しかない為、収納スペースが狭くなってしまします。SPFは材自体の幅が狭いので繋げて利用する構造になりますが、SPFは木材が反ってしまう可能性が高くて扱いづらいです。OSB合板と普通合板は12㎜の物しか置いていなかったので収納椅子にするには少し厚みが薄い思いました。
こんな感じで消去法で決めていくと針葉樹合板か、パイン集成材に決まってきます。今回は低コストで作りたかったので針葉樹合板にしました。
(4)車内の寸法を測る
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車内は部屋と違って四方形ではないので、測定する場所で長さが違ってきてしまいます。
床の縦の長さは何処を計っても1700㎜でしたが、横幅は1100㎜~1250㎜と測定する場所で違っていました。高さは320㎜位と決まってたので、その高さに合わせた縦、横の長さも測定しておきます。こちらも縦の長さは変わりませんが幅は車の側面に溝があるので一番長い場所で1600㎜位でした。
(5)CADで設計
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車内の外寸が分かったら、収納椅子の外寸から考えて設計します。収納椅子は左右に二列作り、持ち運びが出来る大きさ希望だったので長椅子にしないで4分割して作りました。なので左右合わせて8個の椅子を作る事になります。縦の長さが1700㎜なので4分割して430㎜、440㎜、430㎜、400㎜の幅の収納椅子にします。左右2列の箱の奥行は400㎜にします。車内の床の横幅は一番短い所で1100㎜なので中央の空間が300㎜位空く事になります。
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↑側板真正面から見た時の寸法図になります
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↑真上から見た時の寸法図
(6)箱の構造を決める
箱は繋げた時に長椅子の様に見せたいので前板が一面見える構造にします。その方が全体で見た時、一体感が出て綺麗に見えます。底板は前板、側板、後板の中に納まる構造に設計します。
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↑前板と後板で側板を挟む構造になります。
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↑底板は前板、側板、後板の中に収まる構造になります。
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↑側板面から見た寸法図になります。
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↑真上から見た寸法図になります。
(7)車中泊用ベットキッドの設計
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車中泊する時は左右の椅子の前板部分を利用して橋渡しにする構造にします。橋渡しするだけではガタつく恐れがあるので、橋渡しにする中央の天板部材に鬼目ナットをねじ込み、収納椅子の中からチョウボルトを使って前板と固定出来るようにします。車中泊しない時は車で利用するちょっとしたテーブルになるようにもしていきます。
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↑中央の天板部材の鬼目ナットと前板の穴を重ねてチョウボルトで締めて固定します。
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↑中央の天板を前板にかけて橋渡しにする構造寸法図
今後、橋渡しにする中央の天板部材の名称は中央天板と説明していきます。
(8)収納椅子に取り付ける車内壁側部材の設計
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↑車内壁側部材を取り外した時の写真です。(黄色と紫色が車内壁側部材になります)
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↑側板から見た車内壁側部材を取り付けた図面
車内の床の横幅と車内の320㎜の高さ(椅子の高さ)の横幅では寸法が違ってきます。車中泊した時に広い空間を作りたいので、車内壁側のカーブに合うように木材を切って収納椅子に取り付ける構造にしていきます。収納椅子は基本的には車の中設置しておくようですが、外に持っていく事もあると思うので後板に鬼目ナットねじ入れて、車内壁側部材をチョウボルトでドライバーがなくても簡単に取り外しが出来るように設計します。イメージとして後板に棚を作る感じになります。車内壁側部材の補強として後板にストッパーとなる棒材を取り付けます。車内壁側部材の天板は不規則なカーブなので、コンパスと型紙を利用して墨付けしていきます。
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↑車内壁側部材の天板部分をコンパスで墨付けする
「コンパスを使った墨付けの仕方」は←こちらを見て下さい。
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↑車内壁側部材を真上から見た図面
(9)収納椅子の蓋の設計
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収納椅子は角丁番を使って開け閉め出来るよう設計していきます。スムーズに開閉出来るようにしたいので、蓋の奥行は2㎜(370mm−368mm)短く設計します。蓋の横幅は箱の外寸と同じにしますが、蓋の奥行は、前板の厚み分は短く設計します。収納椅子の前板部分は橋渡しにする中央天板を乗せるためです。丁番を取り付ける為の棒材(15mm)と蓋の小口面に丁番を取り付けていきます。丁番は締めた時に立たせた状態になる構造です。(↑の写真は丁番と棒材を取り付けている時の写真です)後板の小端部分に丁番を寝かせて取り付けてしまうと開けたときに車内壁側部材に当たって開閉出来なくなります。
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↑蓋の手がかりの寸法図になります。(7mm×100mm)はトリマーでかいで切り取り、蓋の裏面に(5mm×1000mm)の8mmの溝を作ります。
(10)収納椅子の強度を上げる設計
蓋を締めて椅子として利用する時に前板、後板が蓋の裏に当たっていない状態になります。なので前板と後板に同じ厚みの棒材をつけて強度を上げます。前板に取り付ける棒材は強度だけではなく蓋を締めた時に隙間をなくす役目もあります。
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↑側板から見た前板補強材、後板補強材(20mmの棒材)を取り付けた図面
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↑真上から見た前板補強材と後板補強材の寸法図
〈補強材の長さ=収納椅子の横幅外寸−(木材の厚み15mm×2)〉
(11)針葉樹合板とコンパネのサイズ規格が違う事を気を付ける
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最初は収納椅子を針葉樹合板で作るつもりで計画していましたが、木材を追加で購入しようとホームセンターへ行ったら、コロナの影響で15㎜の針葉樹合板の入荷に時間がかかるとのことでした。15㎜の厚みの材はコンパネしかなかったので仕方なくコンパネで代用しました。しかし、合板のサイズとコンパネのサイズの規格は微妙に違う為、同じサイズにカットしようと思うと、材を余分に買わなくてはいけなくなってしまいます。針葉樹合板は(910㎜×1820㎜)コンパネ(900㎜×1800㎜)です。少し面積が狭くなるだけで木材を買い足すのは勿体ないと思いました。収納椅子の高さが2㎜低くなってしまいますが針葉樹合板と同じカットにして、組み立てる時に底板部分を2㎜出して高さが合うようにしました。
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↑コンパネ、組み立てる時に底板を2mm出して高さを調整している写真
(12)車内に設置した時の収納椅子の段差を無くす設計
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↑部屋の中に設置する場合は、床が平坦なので段差が出る事は無いのですが、車内は床面にレールがあるので、場所によっては8㎜位の段差があります。
収納椅子にアジャスターを付けようかと考えましたが、8個の収納椅子全部に付けようと思うと、それなりにコストがかかりますし、キャンプで使う為の家具なので簡単に設置が出来た方が良いと思いました。なので、簡単に考えて4㎜のベニアを底板に敷いて高さ調整をしました。8㎜位ある段差は二枚重ねます。写真の赤丸のベニアを敷いて高さを調整していきます。
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![](https://chiho-handmadelife.com/wp-content/uploads/2023/02/29.sekkei.jpg)
↑の写真の用に4mmのベニアをカットしていきます。
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